技術情報
動的構造解析詳細
樹脂のひずみ速度依存性
樹脂には変形速度によって材料物性が異なるという特性があり、これをひずみ速度依存性と言います。
予測したい現象が高速域に入る場合には、高速域における応力ーひずみ関係が必要になります。このため、通常の静的引張試験機を用いることができず、油圧サーボ試験機が用いられます。
ただし、高速の引張試験は非常に難しく、旭化成でもデータのある材料の数は限られます。
If the phenomenon you want to predict becomes faster, you cannot express only by the normal resin characteristics (low-speed stress-strain curve).


旭化成独自の材料モデル
ポリアミドに代表される結晶性樹脂は、図(左)のように結晶部と非晶部が存在します。
非強化ポリアミドのダンベル型試験片を引張ると、図(右)のようにネッキングが起こり、延性破壊します。 非晶部のポリマーが引き延ばされ、微視損傷が発生し結晶部と非晶部の境界において破断が生じるという樹脂特有の特長です。
破壊形態や破壊時のエネルギー吸収量を予測できるよう、弊社および弊社グループ会社である旭化成エンジニアリング(株)ではこのような微視損傷を考慮した材料モデルを開発し衝撃解析に適用しています。
We have developed a material model that considers such microscopic damage and applied it to impact analysis so that we can predict the failure mode and the amount of energy absorbed at the time of failure.

● 材料モデルに用いた構成式にご興味がある方は、こちらの論文をご覧下さい。