優れた耐熱性・強度・剛性
ポリアミド(PA)樹脂

leona leona

レオナ™ SUシリーズとは

レオナ™ Sシリーズは、半芳香族ポリアミド(semi-aromatic PA)とポリアミド66(PA66)あるいはポリアミド6(PA6)とのアロイグレードです。
半芳香族ポリアミドとのアロイ化により、PA66、PA6の課題である吸水後の寸法変化・物性低下を抑えることに成功しました。同時に、亜鉛/アルミダイキャストに匹敵する比強度、PA66より優れた流動性、高いGF含有量での良外観性を有しており、金属代替に最適な材料です。

以下、3つのグレード群(シリーズ)をラインナップしています。

1.  高外観・高強度: SG
2.  高外観・高強度・難燃: SN(非ハロゲン・非赤リン難燃)、SH(ハロゲン難燃)
3.  高外観・耐候性: SU

本ページでは、レオナ™ SUシリーズをご紹介します。レオナ™ SUシリーズは、半芳香族ポリアミド(semi-aromatic PA)であるPA6Iとポリアミド6(PA6)とのアロイグレードです。

優れた成形後外観を実現し、厳しいUV・耐候試験要件を満たすことができます。吸水後の物性保持に優れ、従来のPAでは困難だった金属代替・構造部品にも適用できる可能性があります。自動車・バイク二輪の外装用途等に適したグレードとして、以下イメージの製品・用途への適用・ご提案を進めています。

 

レオナ™ SUシリーズの想定用途

レオナ™ SUシリーズの特徴

優れた耐候性

外装用途の重要な基準のひとつは、優れた耐候性を持つことです。
SAE J2527、ISO 4892-2、JIS K7350-4のような様々な耐候性試験において、レオナ™ SUシリーズは良好な結果を得ることができ、自動車基準を満たすことができました。 米国自動車協会規格SAE J2527に即した耐候性試験の結果を表に示します。

さらに、レオナ™ SUシリーズの性能は、部品要求スペックレベルで検証されました。色調変化と光沢保持はスペックを満たし、部品にクラックや白化は見られませんでした。

レオナ™ SUシリーズ 各種耐候性試験の結果
レオナ™ SUシリーズ 各種耐候性試験の結果

レオナ™ SUシリーズの数々のポジティブなテストと検証により、幅広い外装アプリケーションのための優れた選択肢となります。
旭化成プラスチックスシンガポール(APS)は、ISO17K認定ラボであり、耐候性試験機器・評価手順の認定を得ました (ISO 4892)。こうした耐候性試験は評価に時間がかかり、また高い信頼性が求められますが、APSのラボでデータを取得・ご提供することにより、お客様に対して信頼性の高いデータをタイムリーに手戻り等なくお届けすることが可能になります。

参考:https://www.asahi-kasei.com.sg/APS/technical-support-center/laboratory-accreditation/

良外観、高光沢

レオナ™ SUシリーズは、優れた耐候性能と良表面外観の両方を兼ね備えており、製品コストと二次工程を削減できる可能性があります。
黒を基調とした用途においてレオナ™ SUシリーズを使用することで、二次塗装工程を経ず、射出成形後すぐに使用することができることで、塗装工程の省略・コスト削減に繋がります。
レオナ™ SUシリーズの表面外観は、GF60%の含有率でも高いレベルの光沢を実現することができます。この高剛性と優れた表面の組み合わせにより、レオナ™ SUシリーズは構造的に要求される外装部品に適用可能です。

強度・剛性を発現させるためにGFを多く含有したPA66一般グレードではGFが表面に浮いてきてしまうため、表面がガサガサした見た目になり、人の目に触れるような製品では使用しにくい欠点があります。しかし、レオナ™ SUシリーズはGF浮きが目立たず、光沢感のある成形品を得ることができます。
また、射出成形時の射出速度が低速であっても、良外観部品が得られるため、幅広い生産条件の対応が可能です。

レオナ™ SUシリーズの良表面外観
レオナ™ SUシリーズの良表面外観
レオナ™ SUシリーズ 成型サンプル
レオナ™ SUシリーズ 成型サンプル

優れた強度・剛性、高い吸水時物性保持率

レオナ™ SUシリーズは金属代替を念頭に開発された材料であり、高い強度・剛性を有し、吸水後の物性変化を抑えた材料です。
PAは吸水すると、靭性が増し、強度・剛性が下がるという性質があります。レオナ™ SUシリーズは吸水後の強度低下を抑えることに成功しました。例えば、レオナ™ SU206(ガラス繊維 (GF) 60%強化 PA6+半芳香PA)では、吸水後曲げ弾性率の低下率は約20%であり、一般的なPA66+GF60%材の吸水後物性に比べても高い値を維持しています。一般的に、PA6とPA66を比べると吸水後物性変化はPA6の方が大きく、PA6をベースとしてSU206において、半芳香族PAによる物性変化抑制効果が大きいことが示しています。
強度性能が向上することにより、より幅広い製品設計が可能になります。

レオナ™ SUシリーズと他ポリアミドとの曲げ弾性率の比較
レオナ™ SUシリーズと他ポリアミドとの曲げ弾性率の比較

優れた流動性、良成形性

レオナ™ SUシリーズは、一般的な射出成形機で簡単に加工・成形することができます。優れた流動性により、柔軟な設計と加工が可能です。例えばレオナ™ SU206は、従来のPA66 GF 50%よりも優れた流動性能を有しています。これは、60%という高いGF含有率にもかかわらずです。図にスパイラルフローの流動長を示します。
大型の成形品や、薄肉・複雑形状の成形品でも成形可能になる可能性があることから、金属代替や製品の小型化・軽量化に貢献します。

レオナ™ SUシリーズ スパイラルフローの流動長比較
スパイラルフローの流動長比較

また、ある開発案件においては、従来の材料では組み立て時の不具合を防ぐため、成形後にアニールが必要でした。しかし、レオナ™ SU206は、アニール処理を必要としないことを示しました。成形が容易で結晶性が良いため、アニール処理をしなくても十分な強度と性能を発揮します。

レオナ™ SUシリーズ 二次加工工程(アニール処理)の削減事例
二次加工工程(アニール処理)の削減事例

レオナ™ SUシリーズラインナップ

レオナ™ SU20C
(開発材)
  • 高い強度・剛性
  • PA6とPA6Iのアロイ
  • GF35%強化
  • 吸水時高強度
  • 吸水時寸法変化小
  • 良流動性
  • 良外観
  • 自動車内装、各種機構部品、金属代替向け
レオナ™ SU206
(開発材)
  • 高い強度・剛性
  • PA6とPA6Iのアロイ
  • GF60%強化
  • 吸水時高強度
  • 吸水時寸法変化小
  • 良流動性
  • 良外観
  • 自動車外装、自動車内装、各種機構部品、金属代替向け

レオナ™SUシリーズ(耐候)の用途事例

ミラーベース

×

運転手が側方、後方の確認に使用するミラーを固定するための部品。
人がぶら下がっても壊れない強度・剛性、無着色でもキレイな外観および耐候性が求められます。

https://www.asahi-kasei-plastics.com/wp-content/uploads/2021/07/mirrorbase.jpg

製品名・グレード

特徴

  • 良外観
  • 耐候性
  • 高剛性
  • 易成形性

ルームミラーブラケット

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後方視界確認するミラーを固定するための部品。
近年では前方検知のADAS部品を収めるハウジングも統合される。無着色での高外観、ブレないための剛性等が求められる。

https://www.asahi-kasei-plastics.com/wp-content/uploads/2021/03/roommirror.jpg

製品名・グレード

特徴

  • 高剛性
  • 良外観
  • 易成形性

レオナ™SUシリーズ(耐候)関連コンテンツ

製品データ/使用のヒント※取扱い上の注意

レオナ™取扱い上の注意

この資料の記載内容は現時点で入手できる資料、情報、データに墓づいて作成しており、新しい知見により改訂されることがあります。なお、これらは情報提供であって保証するものではありません。従って、ご使用に際しては、使用環境・設計等を充分考慮し、製品に問題ないことを貴社がご判断の上、貴社の責任においてご使用ください。

1.取扱い上の注意

次の事項は貴社に供給するレオナ™自体の取扱い注意の要点です。レオナ™の安全な取扱いにご活用ください。
なお、レオナ™の取扱い上の注意については、製品安全データシートを別途作成しています。弊社担当までご連絡して頂ければお送りします。レオナ™以外で貴社が用いる添加剤等の安全性については、貴社にて調査くださるようお願い致します。

(1) 安全衛生上の注意点
レオナ™の乾燥、溶融時に発生するガスの眼、皮膚への接触や吸入を避けるよう気をつけてください。 また、高温の樹脂には直接触れないようにしてください。乾燥、溶融等の各作業においては、局所排気装置の設置や保護具(保護眼鏡、保護手袋、等)の着用を推奨します。

(2)燃焼に関する注意点
レオナ™は可燃性ですので、取扱い、保管は熱及び発火源から離れた場所で行ってください。万一燃焼した場合には有毒ガスや窒息性ガスを発生する恐れがあります。消火には水、泡消火剤、粉末消火剤が使用できます。

(3)廃棄上の注意点
レオナ™は焼却又は埋立により処理できますが、処理に際しては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に従って、公認の産業廃棄物処理業者もしくは地方公共団体に委託して処理してください。また、自ら焼却する時は、焼却設備を用いて大気汚染防止法などの諸法令に適合した処理を施してください。焼却時には一酸化炭素等の有毒ガスや窒息性ガスを発生する恐れがあります。

(4)保管上の注意点
樹脂の汚染と吸湿は絶対に避けてください。湿気のない冷暗所に保管し、開封後は直ちに成形を開始してください。 製品袋に穴を開けたり、水に濡らしたりしないでください。また、こぼした樹脂は製品袋に戻さないでください。 消防法の指定可燃物(合成樹脂類)であり、市町村条例に従って取り扱いください。(消化設備、屋内貯蔵取扱所など)

(5)成形上の注意点
レオナ™の成形における適正樹脂温度は270~310℃です。これより低い場合は可塑化の不均一ヒよる局部的な物性低下等の恐れがあります。一方これより高い場合は分解によるガスの発生やシルバー等の外観不良を起こす恐れがあります。ただし、FR200やFR370等の一部例外もありますので、成形前に個々のカタログ等を必ず参照してください。また、レオナ™を溶融状態で成形機シリンダー内に長時間滞留させないでください。樹脂が分解し成形品が変色したり劣化する原因となります。その場合はポリエチレン等で一旦シリンダー内を置換してから成形を行ってください。

2.用途に関して

  • ・レオナ™を、体内埋め込み用途、体液・輸液に直接接触する用途には使用しないでください。
  • ・その他の医療用途にご使用の際には、必ず、あらかじめ弊社担当までご連絡ください。
  • ・食品の包装容器等、食品と接触する用途にはご使用にならないで下さい。
  • ・詳細は弊社担当にお問い合わせ下さい。
  • ・その他特殊用途への使用をご検討の際も、弊社担当までご連絡頂ければ、個別にご相談します。
  • ・各グレードの電気用品取締法、UL規格、CSA規格等への適合性についての詳細は弊社担当にお問い合わせください。

3.その他

ご使用に際しては、工業所有権にもご注意ください。

レオナ™に関するご質問・ご相談・サンプル
のご依頼をお待ちしております。

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