ザイロン™(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)取扱い上の注意
<ご注意>
この資料の記載内容は現時点で入手できる資料、情報、データに基づいて作成しており、新しい知見により改訂されることがあります。また、注意事項は、通常の取り扱いを対象としたものなので、特殊な取り扱いの場合には、用途・用法に適した安全対策を実施の上、ご利用下さい。
1.取り扱い上の注意
ザイロン™の取り扱いの要点を以下に示します。ザイロン™の安全な取り扱いにご活用下さい。なお、ザイロン™のグレードごとの取り扱い上の注意点につきましては、安全データシートを別途作成しています。ご使用に際しては、安全データシートをお読みください。ザイロン™以外で貴社が用いる添加剤等の安全性につきましては、貴社にて調査下さるようお願いいたします。
A.作業上の注意点
ザイロン™の作業時にペレット、溶融樹脂及び溶融時に発生するガス等との接触・吸入を避けるようにお気をつけ下さい。万一、接触・吸入した場合の応急処置を以下に示します。
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・眼に入った場合
眼に入った場合は、こすると刺激があったり、角膜を傷つけるため、こすらずに清浄な水で最低15分間良く洗い、異常があれば医師の手当を受けて下さい。
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・皮膚に付着した場合
通常は、水や石鹸で洗い、溶融物が付着した場合は、直ちに清浄な水で冷やして下さい。皮膚上の固まった樹脂を無理に剥がさずに、医師の手当を受けて下さい。
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・吸入した場合
通常は、人体への直接の影響はありませんが、粉塵などを吸い込んだ場合は、清浄な水でよくうがいをしてください。溶融物からのガスを吸って気分が悪くなった場合は、新鮮な空気のある場所に移動し、回復を待ちます。回復しない場合は、医師の手当を受けて下さい。
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・飲み込んだ場合
できるだけ吐き出し、異常があれば医師の手当を受けて下さい。
B.安全衛生上の注意点
ザイロン™の乾燥、溶融時に発生するガスの、眼や皮膚への接触・吸入を避けるようにお気をつけ下さい。
また、高温の樹脂には直接触れないようにして下さい。乾燥、溶融の各作業においては、局所排気装置の設置や保護具(保護眼鏡、保護手袋等)の着用が必要です。
- ・設備上の対策
成形作業では、加熱溶融によってガスが生じる恐れがありますので、これらを排出するために有効な局所排気装置等を設置して下さい。
- ・呼吸用保護具
発生ガス、ヒュームを吸入する可能性がある場所での作業は有機ガス用マスクを着用して下さい。樹脂製品の機械加工、サンディングなど粉塵の発生する作業では防塵マスクを着用して下さい。
- ・保護眼鏡
作業時は、サイドシール付きの樹脂製保護眼鏡、樹脂製ゴーグル等を着用してください。
- ・保護手袋
必要に応じて着用してください。特に、溶融した樹脂を取り扱う際は、やけど防止のため断熱性の良い手袋を使用して下さい。
- ・保護衣
通常の作業着で構いませんが、特に溶融した樹脂を取り扱う際は、長袖の衣服を着用し、やけど防止を心掛けて下さい。
C.燃焼に関する注意点
ザイロン™は可燃性ですので、取り扱い・輸送・保管は、熱及び発火源から離れた場所で行って下さい。
火災時には強い熱、黒煙、炭酸ガス、一酸化炭素ガス、その他の有毒ガスを発生する恐れがあります。
消火には水、泡消火剤、粉末消火剤等の一般の火災と同じ消火剤が使用できます。
消火作業をする時には、防火服と呼吸器具を着用して下さい。
D.輸送上の注意点
梱包袋が破れないように、水ぬれや乱雑な取り扱いは避けて下さい。
万一、破袋してペレットが散乱した時は、滑って転倒しないように、特に注意するとともに、速やかに掃き取り、回収または廃棄して下さい。
空気輸送の際は静電気災害を防止する対策を実施して下さい。
E.保管上の注意点
ザイロン™は直射日光のあたる場所や、高温多湿の場所を避けて保管して下さい。
熱や発火源から離れた場所で保管するとともに、静電気災害を防止する対策を実施して下さい。
F.廃棄上の注意点
ザイロン™は埋め立て又は焼却により処理できます。
埋め立てる時は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に従って、公認の産業廃棄物処理業者、もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合には、その団体に処理を委託して下さい。
焼却する時は、焼却設備を用いて大気汚染防止法等の諸法令に適合した処理を行って下さい。
2.適合規格に関して
ザイロン™には、ポリオレフィン等合成樹脂製食品容器包装等に関する自主規制基準、厚生省告示370号または、UL、CSA、電取法に各々適合するグレードがあります。
詳細は弊社担当までご連絡下さい。
3.その他
ご使用に関しては、工業所有権にもご注意下さい。
カタログのデータは定められた試験法に基づいて得られた代表値であり保証値ではありません。個々の用途に最適なグレードを選ぶ目安としてご参照下さい。なお、これらの数値は物性改良のため変更することもあります。