「旭化成ヨーロッパ発『バッテリープロジェクト』 」
インタビュー
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2024.09.10
技術・製品紹介
自動車に搭載される障害物検知システムの中でも、ミリ波レーダーは降雨や濃霧、夜間といった厳しい環境下でも高い検知能力を発揮し、自動運転技術に不可欠な要素となっています。
しかし、降雪時にはレドームに雪が付着することでミリ波の反射が増大し、検知能力が低下する問題があります。この問題を解決するために、現在ではレドームにヒーターを配置して雪を溶かす技術が実用化されています。
既存のヒーター付きミリ波レーダーレドームでは、ヒーターの熱がレドーム内部に均等に広がるため、融雪に寄与する熱は全体の半分程度に留まります。
この問題を解消するため、旭化成は、ミリ波レーダーレドーム背面に、変性PPE樹脂を発泡させた素材である「サンフォース®」を配置する構造を提案します。サンフォース®の高い断熱性と低い誘電特性により、ミリ波帯電磁波の減衰量を抑えながらヒーターで発生した熱を効果的に利用できるようになります。
発泡樹脂サンフォース®の融雪ヒーター付きミリ波レーダーレドームへの適用イメージ
発泡樹脂サンフォース®を利用したスペーサーなし(a)とあり(b)の熱伝導挙動の違い
発泡樹脂サンフォース®を利用した断熱構造による省エネ効果シミュレーション
サンフォース®の有無によるレドームの温度分布
(-5℃環境下でレドーム表面温度を15℃になるように加熱した場合)
発泡樹脂サンフォース®と各樹脂との誘電特性の比較
発泡樹脂サンフォース®の各発泡倍率おける板厚とミリ波透過率
(厚さ2.4mmのABSの背面にサンフォース®を配置、76.5GHz)
サンフォース®の特徴と効果 一覧 | |
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誘電特性 | 樹脂由来+発泡による低誘電性(高い電波透過性) |
断熱性 | ヒーターの利用効率改善、高温部と非高温部の遮熱(熱マネジメント効果) |
難燃性 | UL94 V-0認証取得 |
隙間埋め | 空気を置き換えることによる結露防止、絶縁、断熱 |
賦形性 | 部品固定(部品点数・組付け負荷低減) |
その他 | 耐熱性、防水性 |
電気自動車(EV)において、省電力技術の需要がますます高まる中、発泡樹脂サンフォース®を利用した融雪ヒーター付きミリ波レーダーレドームは、効率的な融雪と高いミリ波透過性を同時に実現し、EVの利便性向上に大いに貢献します。これにより、走行可能距離の拡大やバッテリーの長寿命化といった期待が高まります。
→ 自動車技術会論文集54巻(2023)3号掲載「融雪機能付きヒーターレドームへ発泡樹脂を配することによる消費電力低減効果の解析的予測とミリ波透過性への影響の確認」はこちら
融雪ヒーター付きミリ波レーダーレドーム向けの発泡樹脂「サンフォース®」の活用について、さらに詳細な情報やサンプルのご依頼は、以下のフォームよりお問い合わせください。
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