高強度な炭素繊維強化テープ
CFRTP UDテープ

概要と特長
UDテープ UDテープ

UDテープとは

旭化成は、重厚な金属部品の樹脂化提案に向け、熱可塑性樹脂コンポジット材料のラインアップ化を推進しています。
旭化成のUDテープ(Uni-directional Tape、一方向連続繊維強化材料)は、一方向に引き揃えた炭素繊維にポリアミド樹脂を含浸させたテープ状の材料です。また、UDテープは他の可塑性樹脂材料と溶着が可能であり、形状自由度に優れる射出成形品と組み合わせたマルチマテリアル構造体を構成することで、射出成形では強度・剛性を理由に実現できなかった金属代替・軽量化を達成できる可能性があります。

UD tape

UDテープの特徴

UDテープの主な特徴は4つあります。
4つの特徴すべて、当社ポリアミド樹脂の種類の中から特殊なものを使用したことによってもたらされています。

比強度・比剛性等の機械物性に優れる

UDテープは比強度・比剛性等の機械物性に優れ、自動車部品、電気・電子部品、航空機部品、スポーツ・レジャー用品、建築材料など、幅広い領域における金属部品の樹脂化による軽量化に貢献します。

旭化成のUDテープの代表的物性・金属との比較
旭化成のUDテープの代表的物性・金属との比較

炭素繊維へのポリアミド樹脂の高い含浸性

特殊なポリアミド樹脂は加熱によって溶融した時の粘性がとても低い状態になり炭素繊維の隙間へポリアミド樹脂が良く浸み込みます。炭素繊維と樹脂が良く密着し、互いが高度に一体化しているため、炭素繊維の補強効果が最大限に発揮されます。

UDテープ断面写真

高い接着性

特殊なポリアミド樹脂が、融けて固まるという挙動を制御されたものであることによります。
UDテープを重ねて加熱プレスして作る成形品では、重ねたUDテープ同士が良く接着します。またUDテープへ加熱溶融した材料を射出成形して作る成形品では、UDテープと射出成形材料とが良く接着することが可能です。

UDテープ 射出溶着性データ
射出溶着性データ

吸水時の物性変化が小さい

ポリアミド樹脂は吸水による物性低下が課題ですが、その低下率が低くなるように特殊なポリアミド樹脂を使用しています。

吸水物性の比較
吸水物性の比較

UDテープの成形方法

01

加熱プレス成形

一般な成形方法は加熱プレス成形です。必要な形状をシートから必要枚数切り抜き、金型に入れ、UDテープの融点以上の温度まで金型の温度を上げてUDテープを溶融させ、加圧しながら冷却することで、テープ同士が一体化した成形品が得られます。

UDテープ 加熱プレス成形
ホットプレス(heat&cool / variothermal press)

また、加熱プレス成形のサイクル時間を短縮するために、別途UDテープを板状の成形体にしておき、それを赤外線ヒーター等で加熱して軟化させ、80℃程度に温調したプレス金型に入れて成形品を得ることも可能です。

UDテープ 加熱プレス成形2
コールドプレス(isothermal press)
02

レイアップ成形

レーザー加熱でUDテープを溶融させながら貼り付けていく成形方法です。必要な箇所に必要な方向でテープを貼ることができるため、UDテープを効率的に活用できます。

UDテープ レイアップ成形
レイアップ成形
03

ワインディング成形

回転する軸にUDテープを溶融させながら巻き付けてゆく成形方法です。レイアップ成形とともに、プレス成形では製作困難なパイプ形状やリング形状のものを作製することが可能です。

UDテープ パイプ
UDテープを用いた高強度パイプ部品
04

ハイブリット成形(オーバーモールド)

UDテープ成形体を金型に配置しそこに射出成形をおこなうことで補強構造を有する一体成形品を得る手法で、成形体の補強が可能となります。

開口部をUDテープのリングで補強された成形体
開口部をUDテープのリングで補強された成形体
05

チョップ形態の活用

短冊状にUDテープをカットしプレス成形により活用する手法です。
形状の自由度という観点で、三次元的に複雑な形状の製品への対応に有用です。炭素繊維が連続的であることが強みのUDテープをあえてチョップ形態にすることで、使用している特殊ポリアミド樹脂の高い流動性を利用して、リブ形状がある製品や細かい刃があるギアなどの作製が可能となります。また、ベース樹脂の特性である高いクリア性により成形品の意匠性にも貢献します。

UDテープチョップ材の活用イメージ
UDテープチョップ材の活用イメージ

UDテープに関するご質問・ご相談・サンプル
のご依頼をお待ちしております。

PPEの説明を入力
sustainability
カーボンニュートラルの実現に向けた、旭化成エンプラの貢献​
旭化成グループは、カーボンニュートラルでサステナブルな社会の実現に向けた貢献を進めています。
エンジニアリングプラスチック事業での資源循環の実現に向けた取り組みをご紹介します。
詳細はこちら