優れた摺動性・靭性・疲労特性
ポリアセタール(POM)樹脂

tenac tenac

テナック™ バイオマス認証グレードとは

旭化成のPOM樹脂 テナック™バイオマス認証グレードは、バイオマス原料等と石油化学由来原料の両方を用いて製品を製造した際に、投入したバイオマス原料等の割合に応じてバイオマス由来製品の生産量を割り当てる「マスバランス方式」を用いて、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つである「ISCC PLUS認証」を取得しています。

このテナック™ バイオマス認証グレードは、従来の石油化学由来のPOM樹脂と同等の性能を保持しながら、CFP(カーボンフットプリント)の削減を実現します。

テナック™ バイオマス認証グレード

テナック™ バイオマス認証グレードの特徴

石油化学由来のPOM樹脂と同等の性能を保持

テナック™ バイオマス認証グレードは、優れた摩擦・摩耗特性、強度・剛性、耐油・耐有機溶剤性など、従来の石油化学由来のPOM樹脂と同等の性能を保持しています。そのため、幅広い用途でサステナビリティ対応に貢献することができます。

【テナック™ バイオマス認証グレードと
既存グレードの一般物性】

グレード
項目 試験方法 単位 (Fossil fuel-derived)(石化由来)
テナック™
3010
Biomass Certifiedバイオマス認証
テナック™
B3010(仮称)
(Fossil fuel-derived)(石化由来)
テナック™-C
4520
Biomass Certifiedバイオマス認証
テナック™-C
B4520(仮称)
POM樹脂 タイプ ホモポリマー ホモポリマー コポリマー コポリマー
バイオマス含有率 % 0 ~99% 0 ~97%
密度 ISO1183 g/cm3 1.42 1.42 1.41 1.41
降伏応力または破断応力 ISO527 MPa 70 70 63 63
引張破断ひずみ ISO527 % 50 50 35 35
引張弾性率 ISO527 MPa 3000 3000 2700 2700
曲げ弾性率 ISO178 MPa 2800 2800 2500 2500
シャルピー衝撃強さ(ノッチ付き、23℃) ISO179 kJ/m2 13 13 7 7
メルトマスフローレート ISO1133 g/10min 2.8 2.8 9 9
荷重たわみ温度 ISO75 1.8MPa 100 100 100 100
ISO75 0.45MPa 163 163 156 156
線膨張係数 ISO11359 x10-5/℃ 10 10 10 10
燃焼性判定 UL94 HB HB HB HB
成形収縮率 旭化成法
(垂直/平行)
1.8~2.2 1.8~2.2 1.6~2.0 1.6~2.0

*temporary name

テナック™ バイオマス認証グレードは、従来のグレードと同等の物性を有しています

テナック™ バイオマス認証グレード 用途例(イメージ)
テナック™ バイオマス認証グレード 用途例(イメージ)

マスバランス方式によるISCC PLUS認証を取得

テナック™ バイオマス認証グレードは、「マスバランス方式」を用いることにより、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つである「ISCC PLUS認証」を取得しています。

ISCCロゴ
ISCCロゴ

マスバランス方式とは、バイオマス原料等と石油化学由来原料の両方を用いて製品を製造した際に、投入したバイオマス原料等の割合に応じてバイオマス由来製品の生産量を割り当てる手法です。
ISCC PLUS認証は、このマスバランス方式におけるバイオマス原料の生産・使用を担保するために、全世界に販売される主にバイオベースや再生由来等の原料について、サプライチェーン上で管理・担保する国際的な認証制度です。

マスバランス方式説明図
マスバランス方式説明図

→ プレスリリース「POM樹脂 テナック™ ISCC PLUS認証を取得」はこちら

石油化学由来のPOM樹脂と比較して、CFP値を大幅に削減

テナック™ バイオマス認証グレードは、従来の石油化学由来のグレードに比べて、CFP(カーボンフットプリント)を最大約50%削減することが可能です。

テナック™ バイオマス認証グレードと一般グレードとのCFP値の比較
テナック™ バイオマス認証グレードと一般グレードとのCFP値の比較

→ CFP(カーボンフットプリント)についての詳細はこちら

バイオマス比率の調整が可能

テナック™では、バイオマス比率を調整することで、サステナビリティと製品コストの条件を両立することができます。

テナック™バイオマス認証グレードの用途事例

ドア・ワイパー・シート等を駆動させるモーターに使用されるギア。
負荷がかかり、耐久性・耐クリープ性が求められる。

https://www.asahi-kasei-plastics.com/wp-content/uploads/2021/03/motorgear.jpg

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製品名・グレード

MG210

特徴

  • 耐久性
  • 耐クリープ性
  • 軽量(対金属)

喘息薬用吸入器 機構部品

×

容量制御、残量カウントのための回転やスライド部品、押し込み部のパーツ等。
剛性・摺動性が求められる。

https://www.asahi-kasei-plastics.com/wp-content/uploads/2024/05/inhaler.jpeg ※イメージ写真

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製品名・グレード

Q5010

特徴

  • ISO 10993-5および・USP<87>・USP<88>Class VIの規格に準拠した生体適合性/細胞毒性試験
  • FDAドラッグマスターファイル(DMF)登録

インスリンペン 機構部品

×

容量制御、残量カウントのための回転やスライド部品、押し込み部のパーツ等。
剛性・摺動性が求められる。

https://www.asahi-kasei-plastics.com/wp-content/uploads/2024/05/insulinpen.jpeg ※イメージ写真

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製品名・グレード

Q5010

特徴

  • ISO 10993-5および・USP<87>・USP<88>Class VIの規格に準拠した生体適合性/細胞毒性試験
  • FDAドラッグマスターファイル(DMF)登録

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製品データ/使用のヒント※取扱い上の注意

テナック™取り扱い上の注意

この資料の記載内容は現時点で入手できる資料、情報、データに基づいて作成しており、新しい知見により改訂されることがあります。なお、これらは情報提供であって保証するものではありません。従って、ご使用に際しては、使用環境・設計等を十分配慮し、製品に問題ないことを貴社がご判断の上、貴社の責任においてご使用ください。

1. 取り扱い上の注意

テナック™の取り扱い上の注意については「製品安全データシート」を別途作成しておりますので、テナック™のご使用の前にお読み下さい。なお、次の事項はテナック™の取り扱いの要点です。テナック™の安全な取り扱いにご活用下さい。 旭化成テナック™指定の顔料、添加剤等以外で貴社が用いる顔料、添加剤等の安全性及びテナック™への適合性については、貴社にて調査下さる様お願いいたします。

(1)安全衛生上の注意点
テナック™の乾燥、溶融時及び樹脂分解時に発生するガスはホルムアルデヒドが主成分です。眼、皮膚への接触や吸入を避けるように気をつけて下さい。又、高温の樹脂には直接触れないようにして下さい。乾燥、溶融などの各作業においては局所排気装置の設置や保護具(保護眼鏡、保護手袋、等)の着用が必要です。

(2)燃焼に関する注意点
テナック™は可燃性ですので、取り扱い、保管は熱及び発火源から離れた場所で行って下さい。万一燃焼した場合には有毒ガスを発生する恐れがあります。消火には水、泡消火剤、粉末消火剤が使用できます。

(3)廃棄上の注意点
テナック™は埋め立て又は焼却により処理できますが、処理に際しては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に従って、公認の産業廃棄物処理業者もしくは地方公共団体に委託して処理下さい。また、自ら焼却する時は、焼却設備を用いて大気汚染防止法などの諸法令に適合した処理を施して下さい。焼却時には有毒ガスを発生する恐れがあります。

(4)保管上の注意点
消防法の指定可燃物(合成樹脂類)であり、市町村条例に従って取り扱い下さい。(消火設備、屋内貯蔵取扱所など)

(5)成形上の注意点
樹脂の分解を避けるために下記の点にご注意下さい。 ・加工機内に、樹脂を高温の状態で長時間滞留させないで下さい。 ・強酸及び酸化剤、PVCとの混合押し出しはしないで下さい。 床上にこぼれたペレット等は、放置すると足元が滑って転倒を招く恐れがありますので、速やかに清掃して取り除いて下さい。

2.用途に関して

  • ・テナック™を、体内埋め込み用途、体液・輸液に直接接触する用途には、使用しないで下さい。 その他の医療用途にご使用の際には、 必ず 、予め弊社担当までご連絡下さい。
  • ・テナック™を、食品に直接接触する用途にご使用の際は、ポリ衛協PL(ポジティブリスト)、食品衛生法、FDAに適合したグレードを選んで下さい。その場合は、 必ず 、予め弊社担当までご連絡下さい。
  • ・テナック™のご採用に当たっては、 必ず実際の製品で物性、耐久性等を事前に評価を行って下さい。

3. その他

ご使用に際しては、工業所有権等にもご注意下さい。

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のご依頼をお待ちしております。

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カーボンニュートラルの実現に向けた、旭化成エンプラの貢献​
旭化成グループは、カーボンニュートラルでサステナブルな社会の実現に向けた貢献を進めています。
エンジニアリングプラスチック事業での資源循環の実現に向けた取り組みをご紹介します。
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