静的構造解析

静的構造解析とは

静的構造解析とは、対象となる物体に外部負荷が一定の状態で（時間によって変化せずに）かかった場合の力学的挙動を予測する解析手法です。
構造物や部品の形状、材料特性、外部負荷条件、拘束条件を入力として与え、応力や変位などの挙動を計算します。これにより、安全に使用できる条件や破損・変形が起こる条件を評価することが可能です。
静的構造解析は、外部負荷が時間によって変化する動的構造解析とは異なり、外部負荷は一定で変化しないため、時間による影響は無視されます。ただし、ひずみ速度依存性（クリープや粘弾性といった時間依存の材料特性）を考慮して材料の変形挙動を正確に評価する場合には、時間経過に伴うひずみ速度の影響を無視せずに、きちんと考慮することが重要です。

静的構造解析詳細

樹脂複合材料の特性

樹脂複合材料には、異方性のガラス繊維が強化材として含まれているため、射出成形後のガラス繊維の配向度によって物性が異なるという特性があります。
実際に射出成形で作成した板状試験片から、角度を変えてダンベル状試験片を切り出して引張試験をすると、応力ひずみ曲線が異なります。
構造解析の精度を高めるために、旭化成では繊維配向考慮の取り組みを行っています。
The mechanical properties are strongly influenced by the fiber orientation distribution.
We have improved the accuracy of structural analysis by using data that considers this fiber orientation distribution.

樹脂のクリープ特性

物体に一定の荷重を与えた時に、時間とともにゆっくり変形する現象をクリープといいます。
樹脂は、常温でもクリープ現象が起こり、樹脂のクリープは3つの段階に分かれ、最終的には破断します。
Plastic has three stages of creep.
The primary stage involves significant deformation.
In the secondary stage, it is constantly deformed.
In the tertiary stage, the deformation is accelerated and finally breaks.