製品
比重が小さく、難燃性、電気特性、寸法安定性に優れます。太陽光発電、EV、通信機器等に採用されています。
5G通信の製品は、5G通信の製品と部品を構成する素材の比誘電率(Dk)・誘電正接(Df)がポイントになります。基地局においては、より効率良く電波を送るために、その部品・場所に合わせた比誘電率と誘電正接の制御が必要となります。
また、基地局では金属またはセラミック製のフィルターを多数個配置するため、重量増になり設置工数および作業負荷が大きくなります。カバー・筐体・フィルター・アンテナの樹脂化による軽量化、および複雑形状一体化が5G通信環境整備に貢献します。
旭化成は、5G通信基地局向け材料として、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)ザイロン™と、ザイロン™を発泡させた材料であるサンフォース®をご提案します。
5G通信基地局アンテナカバー(レドーム)向け材料として、ザイロン™低誘電・難燃V-0グレード 443Z、開発材AA181-16と、耐候変色抑制グレード 開発材345Zをご提案します。
旭化成の変性PPE樹脂ザイロン™は、電波透過性の改善や、物性劣化の低減、耐候変色の抑制など、5G通信基地局アンテナカバー(レドーム)の幅広いニーズにお応えすることが出来ます。
項目 | 単位 | 試験方法 | 試験条件 | ザイロン™ 443Z | 開発材 ザイロン™ 345Z |
開発材 ザイロン™ AA181-16 |
Si-PC |
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特長 | – | 耐候変色改良 | 誘電特性改良 | – | |||
荷重たわみ温度 | ℃ | ISO 75-1 | 1.8MPa | 108 | 96 | 106 | 124 |
燃焼性 | – | UL94 | – | V-0 (0.75mm) |
V-0 eqiuv. (1.5mm) |
V-0 eqiuv. (1.5mm) |
V-0 (0.8mm) |
比誘電率 | – | SPDR method | 10GHz | 2.7 | 2.9 | 2.6 | 2.9 |
誘電正接 | 10GHz | 0.0046 | 0.005 | 0.0016 | 0.0078 | ||
シャルピー衝撃強さ | kJ/m2 | ISO 179 | 23℃/50%RH | 42 | 35 | 47 | 75 |
ザイロン™ 低誘電・難燃V-0グレード 443Z、開発材AA181-16は、耐加水分解性および高衝撃性に優れ、オールカラーで難燃性 UL94 V-0 を達成しています。
最外装であるアンテナカバー(レドーム)は軽量化や耐候性の要求に加え、電波透過性を向上させるために低誘電特性が求められます。ザイロン™ 低誘電・難燃V-0グレードでは、従来の材料では困難であった難燃性 (UL94V-0)と低誘電特性の両立を実現しています。
これまで、アンテナカバー(レドーム)の材料にはポリカーボネート (PC) などが使用されてきましたが、誘電特性の観点では十分ではありません。旭化成のザイロン™開発材「AA181-16」をアンテナカバー(レドーム)に採用することで、その課題解消が期待できます。
ザイロン™ 耐候変色抑制グレード 開発材345Zは、高い難燃性・耐衝撃性を維持しながら耐候変色を抑制したグレードです。
下図の通り、ポリカーボネート (PC)と比較し、耐候試験後の色差(ΔE)が小さくなっています。
物性等、詳細はダウンロード資料をご確認ください。
PPE特有の低誘電特性と旭化成独自のコンパウンド技術を組み合わせて、誘電特性をコントロールしたグレードの開発を進めています。
誘電体材料には波長短縮効果があることが知られており、高誘電率(高Dk)且つ低誘電正接(低Df)の材料をアンテナに使用すると小型化が可能であったり、位相シフトのための誘電体移相器(フェーズシフト)に使用されたりと様々なシーンで応用されています。
一方で、高Dkと低Dfはトレードオフの関係にあり、両方を実現することは一般的には困難な技術です。ザイロン™は、この高Dk/低Dfを実現させるためにDk/Dfコントロールグレードを開発しており、前述したようなアンテナの小型化や、基地局で使用される誘電体移相器(フェーズシフター)に好適な材料となっております。
お客様のニーズに合わせた誘電特性グレードをご提案することで、次世代通信基地局の更なる高機能化に貢献します。
物性等、詳細はダウンロード資料をご確認ください。
ザイロン™ 開発材AA222-2は、難燃性を向上させた低誘電特性のPPS/PPEアロイです。
従来アンテナボード(アンテナ素子ホルダー)に使用されてきたPPSよりも低比重のため、軽量化が可能です。また、めっき性と加工性(低そり・低バリ)にも優れます。
物性等、詳細はダウンロード資料をご確認ください。
このアンテナ一体型構成は、既存構成と比較して、下図の通り、電波放射効率を大きく改善することができます。これは基板(サンフォース®)の低誘電化とレドームの一体化によって表面波(材料界面での全反射による電波の閉じ込め)を抑制することができるためです。
サンフォース®は低誘電性であることに加え、下図のとおり、発泡倍率(密度)によって誘電率をコントロールできる特性を有しています。
この特性を活かして電波の指向性や強度をコントロールするために用いられる誘電体レンズの部材に適用することができます。