活用提案
電子機器の熱マネジメントに貢献する
エンプラ発泡材料
サンフォース®とは
サンフォース®は、変性PPE樹脂「ザイロン™」を発泡させたビーズ発泡体で、変性PPE由来の耐熱性、寸法安定性や低い吸水率、ビーズ発泡体由来の軽量、高い賦形性(形状自由度)という特徴を併せ持つ発泡体です。さらに、難燃性や耐熱性を併せ持つことで発泡体ながらもUL94規格 V-0を達成しています。また、型内発泡成形で成形するため、量産性にも優れています。
さらに、サンフォース®は独立気泡構造を有する発泡体であるため高い断熱性を有しています。
素材名 | 熱伝導率(W/m・K) | 素材名 | 熱伝導率(W/m・K) | 素材名 | 熱伝導率(W/m・K) |
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カーボンナノチューブ | 5500 | LCP(液晶ポリマー) | 0.56 | サンフォース®5倍 | 0.041 |
ダイヤモンド | 2000 | FRP(繊維強化プラスチック) | 0.26 | セルロースファイバー | 0.040 |
銅 | 370 | PPS(ポリフェニレンサルファイド) | 0.26 | ロックウール | 0.038 |
アルミニウム | 200 | ポリカーボネート | 0.19 | サンフォース®7倍 | 0.038 |
グラファイト | 120 | ABS | 0.19 | グラスウール32K | 0.036 |
鉄 | 80 | ポリ塩化ビニル | 0.17 | メラミン発泡体 | 0.035 |
炭素銅 | 41 | 合板 | 0.16 | サンフォース®10倍 | 0.034 |
アルミナ | 32 | パーティクルボード | 0.15 | 押出ポリスチレンフォーム(3種) | 0.028 |
ステンレス | 16 | 変性PPE | 0.15 | 硬質ウレタンフォーム(1種1号) | 0.024 |
カーボン繊維強化プラスチック | 4.7 | ポリスチレン | 0.15 | 空気 | 0.022 |
ジルコニア | 3.0 | ひのき | 0.095 | シリカエアロゲル | 0.017 |
コンクリート | 1.6 | すぎ | 0.087 | 二酸化炭素 | 0.015 |
硝子 | 1.0 | コルク | 0.043 | 真空断熱材 | 0.002 |
水 | 0.58 | – | – | – | – |
以下では、サンフォース®の特性を生かした電子機器向けの熱マネジメント性向上を目的とした活用提案をご紹介します。
電子機器の熱マネジメント
活用提案①:サンフォース®を用いた遮熱材
発熱量の大きい部品が搭載された電子基板(太陽光発電用PCSを想定)に対する遮熱材への活用事例をご紹介します。
サンフォース®は高い断熱性、高い形状自由度、難燃性、耐熱性を有しており、この特性を活かして電子基板の発熱部/非発熱部の遮熱材として使うことができます。
以下のシミュレーションは、発熱が大きい部品を発熱部、発熱が小さい部品を非発熱部と定義し、サンフォース®により発熱部を遮熱した際の筐体内気の温度変化を計算した結果です。これにより、筐体内気の温度低減が可能であることが分かりました。
このようにサンフォース®を遮熱材として用いることで、電子機器の小型化・温度低減・劣化抑制・部品配置の自由度向上などが可能です。
電子機器の熱マネジメント
活用提案②:サンフォース®による断熱ダクト
前記の遮熱材と同様に、サンフォース®の特徴を活かした電子部品板の熱マネジメント性向上のための使い方として、発熱量の大きい部品が搭載された電子基板に対する断熱ダクトへの活用事例をご紹介します。
電子機器内部においては、電子部品の温度差によって対流が発生しますが、部品配置や温度分布等によって空気のよどみが発生し、狙った冷却能力が出せず部品温度が上昇してしまうことがあります。
空気のよどみは、下図の左側のような、内部に冷却ファンが搭載された太陽電池用のPCSユニットで発生します。この問題を解消するため、下図の右側で示すように、ファンユニット周辺にサンフォース®断熱ダクトを適用した検討例を示します。
まず、下図の通り、電子機器内部の気流の解析結果を示します。サンフォース®断熱ダクトを適用したモデルにおいては、空気の流路を形成することにより、特に発熱部品周辺において電子機器内部の気流を吸気~排気までスムーズにコントロールできていることが分かりました。
また、以下に温度の解析結果を示します。前記の通り気流をコントロールすることによって部品温度の低減が出来ました。
このように、サンフォース®を断熱ダクトとして用いることで、電子機器内部に気流制御による部品温度低減・劣化抑制・部品配置の自由度向上などが可能となります。
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